2005-01-01から1ヶ月間の記事一覧

Have we met? ―見知らぬ君へ

展覧会見まくってる先端生の友達のホームページを見て 赤坂の国際交流基金フォーラムでやってる『Have we met?』を 見に行った たぶん岡本太郎大賞とった 小林洋子のアクリルボックスの正方形の塔からただゆっくりと正方形の紙が落ちていく 作品と名和晃平の…

透明って青いんですね

かっぱ 霧の小声で話しかける君の 目玉の開閉速度に つかえた小骨が反応して とうと血をたれた 蚊の口針のちゅうと吸う 血痰のかすれた声で 君を求む 鳥が羽ばたくと同時に 灰白の糞が命中した頭骨に べったりとしたたる 甘い蜜が瞼をゆっくりと閉ざしていく …

「触れるかたち」

「大地に乳房が、 触れ先をつたうもの、 巣へ、 手は重いのか、 かるいのか、 透失した小箱の、 中身に夢が熟れて、 君も、 彼も、 手も飲んで、 ぶらさがった夢洞が、 頭のうえに昇って、 きみの夢にも昇る 影像(かげ)は地表から立ちあがる、 森はしずか…

Project the Projectors

灰色のイスの幽霊が 光の柱 のような部屋 の中 絵が闇に浮かんでた グレーの存在のうすさ の ひとつすごい作品があった あのクオリティはもうそのまま国際展にあってもいい みごとなハマリかただった 明日までです 「Project the Projectors 04-05 台東」 東…

雨のないコーヒー

小鳥のほおずり 小鳥の球をほおり投げる ほのおのように震える球が 宙を飛ぶ 銭湯には 鳥の鳴き声が 熱帯植物園のビニールハウスのなかのように その朝の呼び声のような 放送が響き渡る まっすぐのびた塀が 雨のないコーヒー 雨のないコーヒー 轟音がしまわ…

卒業制作の展示お知らせ

卒業制作の展示があります 美術学部絵画棟708アトリエで展示してます パフォーマンスもやる予定です 見に来てください 【卒業制作内覧会】 (上野校地) 日時 2005年1月27日(木)28日(金) 時間 10:00-16:30 場所 東京芸術大学上野校地(台東区上野公園12-…

「雪の島」あるいは「エミリーの幽霊」

言葉が深くのみをふるうのではなく、 言葉という落ち葉のうえを歩いていった時、 通った後にできる水面の 足をひたした色、もしくは味のような 透き通ったかんじ、 頭の中に浮かぶ 静かな膜のようなものの やわらかな揺れかた を感じさせる またはそのけして…

硝子塔

くわい くわあい クスノキに登る 透夢をなでる手で かんな屑にもぐる 目頭が熱くなってきたぞ わっぱりの夜に 崩れ落ちる緋塔 クチビルの切れ端に舌がひっかかって 昼が過ぎた 硝子塔は うす緑に風景を切り 空も封刻される 小鳥が一羽だけ 硝子塔のなかに 肛…

ほこりを針で拾うような

ほこりを針で拾うような気持で ぜんぶ押し入れにつっこんで 布団で丸め込んで 底流をなす くるぶしのような きっかけにふれて 眼が尖ってる コートに時間をつつみこんだまま 熱を分ける ほころび おそらく着地点、現実的接触面、地面としての 四角平面にたど…

ヴィタール

世界がまあるく潰れてく 「脳と仮想」→エラン・ヴィタール(躍動)→「ヴィタール」→Bankartの回廊→内臓のデッサン→沖縄→匂い うすぐもりの春 風がかたんと鳴った やもりの寝床にはひそりと侵入した影が やまびこの小僧をつかまえて 蛭の言づてを吐かそうと …

闇のながめ

いや別にいいよ いいんだよ だけどなんだろうこれは哀しいとかそういう言葉ではない 密林の緑のなかにはだれもいない 雨はさっと降ってやむ ん? 言葉の化石だ かたちにならない言葉が 透明なまま埋もれていく 耳をふさぐぐらいの叫び声が その場を覆っても …

潔癖

正直言って、死にたい、と 死にたくないの間に 引き裂かれながら 生きてくんじゃないの たとえば、目的をもつのがかっこわるい、と 目的をもたないのがかっこわるい、とかね 折り紙をするんだ きちんと畳んで どんどんと小さく折っていく 折り目をつけてピー…

月のツリ針

無限に澄んだ空 冬の透気の色に 死とは空の粒子になることならば 死とは空に帰ることならば この美しく澄んだ空の親密さと同じように 死もまた親密だ その時、暮れた青空に 一条の針のような月 僕の心臓はくっとツリあげられてしまった 睫毛みたいな月の針先…

洗氷

僕は氷を洗いつづける とても大きな氷塊だ 金ダライにざぶんと浮かんだ城 なめらかに光る肌を 濡らしながら てのひらで磨く 氷は溶けるどころか どんどんと大きくなっていくようだ 冷気は金ダライをうって 水氷のゆれる波となって てのひらに浸透する アイス…

孤島を打つ波頭 、薄青毛の白夢に

「孤島を打つ波頭」 孤島を打つ 波頭 きききいー すぐさまにも モミガラを洗って 洗って はぁー、白米が山となる 呻く跳ねる小粒が 水に泳ぐ 種モミは底に沈む とぎ汁はひひひとゆわんで 波頭が 青穂を撫でる風が ナツの終わりを残していった 濁流を受ける …

懐かしきザルツカンマーグート、ハルシュタット

懐かしき、 ザルツカンマーグート、 ハルシュタット ゴーザウ湖 ダッハシュタイン連峰 僕はヨーロッパ二ヶ月ぐらい旅行したとき ユースホステルガイドブックに載っていた 世界遺産のハルシュタットの湖の写真を一目見たときから そこに行きたいと思って 実際…

うるか[潤香]、すべての詩場に染む・諦念

やあ 実際まだ長野にいるのです 作品の梱包が間に合わず帰れなかった 明日の朝一で帰るべく梱包する と意気込みたいところなのですが あれです かちかちかちとチューインガムの銀紙を噛んでるみたいに 銀の音が歯に染みて ぼんやりしてしまうのです そういう…

創世記

葉を重ね 宙に浮かぶ平石を飼う 重みはズンズンと増すが 平石は頭上斜め上にとどまったまま 全体重を僕にたくす それは背骨に水平に置かれた陸亀の甲羅の 重さと等しく 足を砂地に沈める 立ちイ眩みが 微熱のように 背骨に住み すべての肋骨の上を小さな蟻の…

夜湖 夜は生きている

酷いもんだ 「濡れ犬、泣き犬、眼」 喉に風が当たる 眼に赤いものが刺さっているけれど 夏みかんほどある 10円活動家 後妻の 眼窩の赤い影 脈絡なくねめつけられる悲哀の表情を 湛え 濡れ犬、泣き犬、眼 入れ歯、噛む歯は ニッキ 尻だして 指紋の擦り切れた…

受信箱 (1)

Yahooメールの 1件の未読メッセージがあります 受信箱 (1) オレンジ色のぎざぎざびかりの 手紙マークは嬉しい驚きだ でも今日はクリックしてみたら 未読メッセージがない 過去のメッセージ全部をしらべても どこにもない いちどログアウトしてみて もう一度…

刻の暮

嗚呼なんていう美しさ 刻の暮 大気はすべてを飲みこんでいた 湖は氷りついたように にび色にゆらめき 鉛の底を這いずる山椒魚のなめらかな体表のように 深く鈍い光の皺が大気の底でうごめいている つらなる山はまるで地表に横たわる巨人の黒い肌 その暗い憂…

青いコンタクトレンズ

瞳を空にむかってひらく 青水をのこらず眼球の白く濁った海が吸い込んで 半球水平面に青いコンタクトレンズが 見開かれた空は青く澄んだ小鳥を見つける 透徹な空に小鳥はわずかに白く透き通った もう一枚のふわりと浮かぶ水面として そして幽霊の通り道とし…