透明って青いんですね
かっぱ 霧の小声で話しかける君の 目玉の開閉速度に つかえた小骨が反応して とうと血をたれた 蚊の口針のちゅうと吸う 血痰のかすれた声で 君を求む 鳥が羽ばたくと同時に 灰白の糞が命中した頭骨に べったりとしたたる 甘い蜜が瞼をゆっくりと閉ざしていく <キリンの首輪> 酸性雨が 焼けた森に降りそそぐ こげた黒い枝先に しずかな人指し指が 「しっ」と、 雨はずんずんと コールタールのような 大地に沈む ねむった子を引きずり出そうとする 手みたいに深く入り込んで 子はねむったまま引きずり出される こげ跡に裸の子が一人 横たわる 雨はくずれていく昼を支えようとして 雲は荒れる 子は雲のようになっていく 目を閉じたまま ひえきった体を再び大地にうずめようと