潔癖































正直言って、死にたい、と
死にたくないの間に
引き裂かれながら
生きてくんじゃないの

たとえば、目的をもつのがかっこわるい、と
目的をもたないのがかっこわるい、とかね

折り紙をするんだ
きちんと畳んで
どんどんと小さく折っていく
折り目をつけてピーっと
じぶんなんて折り畳んでしまえ 

眼ぱっちりと
あけて
冷や汗に震える
滝の上
真下は霧

はい、はい
そうですね
わかったって言葉を食べる
呑み込む、呑み込む

暮空にはだれもいない
ぴょんって飛んで
ダムの底には必ず村がねむってる
真っ赤な夕日を割ったら
どろっと鶏卵の黄身が
オレンジ色の黄身が
溶けだして
醤油をかけて御飯を食べた
白味の真っ白な
精液みたいな、あれ
あれが涙にまじってたんだよなあ
そう
片目が真っ赤にもえて
血にもえて
折れた歯も血まみれで
かばんの筆箱には一回も削られていない
ドラゴンクエストの鉛筆がびっしりとつまっていて
歯をしまう隙間もなかった
ごろごろと
口のなかをころがる歯の感触を味わえ