ほこりを針で拾うような























ほこりを針で拾うような気持で
ぜんぶ押し入れにつっこんで
布団で丸め込んで
底流をなす
くるぶしのような
きっかけにふれて
眼が尖ってる
コートに時間をつつみこんだまま
熱を分ける
ほころび


おそらく着地点、現実的接触面、地面としての
四角平面にたどりつき、ふれる、結ぶ、
浮かぶ幽霊がふわりふわりとした手つきで
確固たる場、にふれる
その場は幽霊のねぐら、羽根の休み床なのだ
幽霊とは仮想、現想、意識、
中央線の向いの席に座った男はとても分厚い褐色の本を持っている。
バッグぐらいの大きさで、なにかのはじまりを予感させる
窓から見えた鉄橋には黒いコートを着た男達が立っていて
まるで犯罪を匂わすシーンのように
















天窓には月
天窓には黒い鳥影

墓場にはカラスの群れが
碑 ヒ 航跡
つつがない 空の航跡