2004-10-01から1ヶ月間の記事一覧

夜の不思議 芸大にて

上野の芸大に深夜行ったんだけど 芸大美術館のオープンテラスの透明なガラス張りの屋根の上に 下に置いてあったテーブルとイスが全部のってた 浮かんでるみたいで すごい景色だった 取り残された灰皿が墓標みたいだった あれはいったい誰がやったんだろうか …

-27 僕も落とし穴に落ちる

長過ぎる一日 落とし穴に落ちる 自分の卑小さをつきつけられる 飛翔を夢見ていたのに 実際は足裏がべったりと地面にはりついてた 御徒町で電車の窓から見たとき 景色が変わってしまっていた 涙がでそうになる でも幸せも半分折れている そう思うと はー とた…

ザクロをぬすみにいく

濡れた鉄砂色の砂浜に立って にじられた足跡の薄い段差を 洗いつづける波 あぶくを浮かべて 和織図版のはっぴみたいなたまり水 はじめて音楽スタジオで音楽する なかなかたのしい むちゃくちゃ演奏してから ともだちがベース弾いて ぼくがうたう メロディが…

溢れかえるすべて

星がばらまかれてる 透き通った体に おさまりきらない夜そらは どんどんと手をのばして つきはなしていく 地中とつながって 湿った土 夜の土のやわらかく冷えた中に しずんでいる 雨の意識に ひかれていく影 つながったままなめらかに落ちていく こぼれおち…

種をまく

明治神宮に行く 大きな樹があって 緑の冷気が漂っている とがった実をたくさん拾ってポケットいっぱいに詰める 種だ 種をまく 自動販売機とかポストのなかに 大切なのは自分の言葉を放すこと その場所で その時 その人に 生まれる言葉を できるだけ正確に 自…

あかぎれ

風の色が話す 声にだして読みあげられる 小人コトバで 今にながれる 鳥の巣の孤独 見えない合図で 夜渡りあるき 月の歯茎にしたたる血 こおえん前のバス停で 胸が剥がれてるんだ しらうおみたいに

やわらかな胸 張りのあるゼリーみたいに

ぽちょんと浮かんだ舟 ハッポスチロールの舟 小川の濁流にのまれて くるくる回りながら 道だった上をはしる 淡い泥のようなひかりの うすピンクの混じった灰色けむりが こまかな皺をつくって 肛門のようなかたちで ゆっくりと動いている 震える糸波 風の囁き…

髪切る

髪を自分で切るところをビデオで撮る なんか髪切るところを見たいというひとがいるから 部屋も片付き 大学のアトリエも空間づくりしたら 居心地よく つながってきた感じ 嵐で芸大のでっかいゴミ箱が走ってた 道が川になって 車が通るたびに波が起きて タイヤ…

自転速度に重なる

きみが世界に含まれてるってことは もうそれは崩れゆく大地とか そうゆうぐわんぐわん回ってる世界の一部だってことは まぎれもない事実として あなたの中に流れてるんですよ そう引き出しの中の うごめいてるそいつとかね 世界の手をにぎれ つかんではなす…

アキノイサム展にいく

絵本作家で画家でもあるアキノイサムさんの個展にいく 国立駅にある じゃらんじゃらん という母娘ふたりでやってるカフェギャラリーで 知ったんだけど、そのギャラリーも母親が血圧260とか測定エラーになってしまうぐらい つくること生きることにいっぱいい…

つながりの壁

Voice of Siteに野暮用でもう一度行く きょうはサッカー少年たちがいない すごく残念だ ほとんどの作品がそれによって力を失っている 大切な中心がからっぽになってしまったみたいだ この展覧会の50%の魅力はあのサッカー少年たちにあったみたいだ 各地の小…

歪んだ日

いくほうからも照らし出された ガードレールの影みたいな気分だ ヘッドライトに揺すられ 身につまされる悲しみが奥底から わきあがってくる ホホえみでもってかざらない 爪をたてる こぞって雨を支えてごらん こぞって雨を支えてごらん 乳の実をはむ 乳の実…

Voice of Site

Tokyo-Chicago-New Yorkの美術大学のインスタレーションの展示を見に行った。 おもしろかった。 シャノン・シュミットさんの部屋の中の庭、園芸の緑はきれいだった かいわれみたいなのとやさしい草のインスタレーションと行為 水つかうのも、ただ上のホース…

ただたださびしいだけなんだ 止まっていると 静かに澄んだ湖面みたいなところに一人立っているような もうただただずっとさびしいんだ 悲しかったり 痛かったりするのは 内出血した見えない傷みたいなもののせいかもしれないけど さびしいのはたぶん最初から…

僕の痛みは僕だけのものって言う

ココロって臓器が痛むのは----って書いたらすこしココロってやつがひっこんだ 心臓ぐらいになったドクドク、ああそれでも胸の内側にはりついたものはとれない 血がたまっているのかなあ 呼吸ってこんなに暗いものだったかしら 出番を待つ言葉が出てこれない…

暗い日、明るい部屋

雨音が疲れた家の肩をやさしくたたく時 それは子守唄を刻む 灰色の雲り空がもつ不機嫌 明るい部屋から見える窓の 真昼の暗い空の 予感 雨を待ちつづける空 でも雨は降らないから 暗い雷鳴が 明るい学童児童館の遊戯室を照らす そして太った雲は 大粒の雨で明…

アウシュビッツ強制収容所についてなど

僕は小学校のころひどく周りの人たちとうまくやっていくことができなくて 苦しくてかなしくて、ひどくいやらしいそいつらを殺してやろうかと思ったりして 振り返ると耳のなかに蟻が住んでいて、耳に指をいれると指に蟻がついてきたという 記憶があって、 眉…

ラフォーレに初めてはいる

ネット上で気になっていた郡司侑祐くんが ラフォーレ原宿のSheepという服屋で展示で 初日はいるというので、行ってきた ホームページにある絵より良くなっていて、 すごく色がきれいだった ちょっと話したら大きい絵は描くのが初めてだそうだ 服屋から夜のイ…

部屋の大掃除し始めた ものがあふれて海になった部屋

僕は押し入れにふとんをひいて眠るようになる 穴のなかで眠ると落ち着く 「ある日」 ある詩人が言った 大切なのはすべてを見せることではなく すべてを見ることだと ごった煮になった溶鉱炉の中では 七色の液体が波打つようにうねり いったいどんな色のどん…

「誰も知らない」を見て

涙がない 朝起きる時に母親が流すひとつしずくの涙しかない 渇いている YOUが出ている時のこれはフィクションなんですよという 世界から母親が去ってからの子供だけの世界のリアリティに引き込まれていく構成のすばらしさ ただだまって耐え続ける兄妹たちの…

吉増剛造イベント報告 多摩美編

吉増剛造の声は優しかった ポーブロスの音をやさしく抱きとめる 抱きとめる ふんわりと詩をつかって、たどりつこうとする場所は その場所は 僕はそれを瞳の扉をひらいて見つめる 眼球が世界になってしまうようにして 世界の叫び音のかたちをなぞるような朗読…

吉増剛造イベント報告

音が泳いでいた 深海で 深海なんてメタファーつかって 深海なんて行ったことあるのかよ エレキギターを弓で弾いた時 青い火花が見えたんですけど それはもう洪水みたいで 彼の音楽は世界をつかんでいた 詩は読まれることで生きると感じていた でも意味の張り…

春の道 薄暗いバー

スペインかどっかの片田舎でさ 小さな現代美術館に行った時なんだけど やってきたはいいけど どこに美術館があるか全然わからなくってさ こまっちゃって 一軒のバーに入ったわけ、 そんでカウンターに腰かけてコーヒー一杯頼んで しゃべれないスペイン語でも…

明治神宮に行く 大きな樹があって 緑の冷気が漂っている とがった実をたくさん拾ってポケットいっぱいに詰める 種だ 種をまく