2005-01-11 洗氷 僕は氷を洗いつづける とても大きな氷塊だ 金ダライにざぶんと浮かんだ城 なめらかに光る肌を 濡らしながら てのひらで磨く 氷は溶けるどころか どんどんと大きくなっていくようだ 冷気は金ダライをうって 水氷のゆれる波となって てのひらに浸透する アイスピックが氷を欠片に粉砕するような ぴりっとした痛みが走り そのあとは てのひらも霜柱になってしまった もうもうとあがる湯気に 背をむけ 僕は氷を洗いつづける