つながりの壁




 
 
 
 
 

Voice of Siteに野暮用でもう一度行く
きょうはサッカー少年たちがいない
すごく残念だ

ほとんどの作品がそれによって力を失っている
大切な中心がからっぽになってしまったみたいだ
この展覧会の50%の魅力はあのサッカー少年たちにあったみたいだ
各地の小学生サッカー少年たちを毎日あそこで練習させること自体がひとつの
アート作品に成りうる
それにきょうは秋晴れだったけど曇りのほうがいい作品が多かった

池内さんの糸を結びまくってつくった糸を垂らしただけの部屋は
光の雨みたいで
それはまったくサッカー少年たちの影響とは関係ないところで存在していた

上の階の作品はほとんどサッカー少年の影響を受けていなかった

四つの長髪かつらが上下に非常にゆっくりと動いて下のゴムの張られた台の
上の水たまりのなかに沈んでいき、きれいな音をたてて水をしたたらせて昇っていくのは異様な風景だった
情念がエレクトロニックな装置によって表現されているのがおもしろい














つながりの壁になる
つながりの壁にふれる
つながっている壁

日本製の線香花火は部屋のなかでやると
時間の流れかたがずれるみたいで
空間にできた鉱石の割れ目がきらめくような
しみる光の線をつくる
イトウさんがつくった花火だ