部屋の大掃除し始めた ものがあふれて海になった部屋

 
 
 
 

僕は押し入れにふとんをひいて眠るようになる
穴のなかで眠ると落ち着く


「ある日」

ある詩人が言った
大切なのはすべてを見せることではなく
すべてを見ることだと

ごった煮になった溶鉱炉の中では
七色の液体が波打つようにうねり
いったいどんな色のどんな感情が
あふれ出てくるのか
ぜんぜんわかんないんです
若葉のしっとりとした冴えた緑色か
それともマグマのような生きた火熱色か
空の透明に澄んだシロップ色か

ああこうしている間にも
カリッとしたトーストの熱が
そらへと逃げていく