吉増剛造イベント報告
音が泳いでいた 深海で 深海なんてメタファーつかって 深海なんて行ったことあるのかよ エレキギターを弓で弾いた時 青い火花が見えたんですけど それはもう洪水みたいで 彼の音楽は世界をつかんでいた 詩は読まれることで生きると感じていた でも意味の張りついた言葉では 彼の音楽に追いつけなかった 終わりには言葉ではなく声 音で追いついていたけれど 僕はあいさつのとき長髪に顔をうずめていた 彼にくぎづけだった それは僕が聞いた音楽のなかで一番すばらしいもののひとつだった たくさんの本に囲まれて行われた吉増剛造のイベントはすばらしいものだった 吉増剛造はとても瞳のうつくしいひとだった ジャン=フランソワ・ポーブロスはすごい あした多摩美で5時から同じ面子でパフォーマンスが行われる 絶対おすすめ でもあの場所で、本屋で、あの時だったから良かったのかも知れないけど 吉増剛造は言った この天才ギタリストは言葉に頼らず どこから音を引き出してくるのか 彼は言った 吉増のおかげだ 彼は言った 僕にはいったい何が起こったかわからないんだ たぶん世界をつかむとはそういうことだ