産ノシイロギ





















 
 

ホド、 ける 夜火 野、 薄 川 デ

硝(ー)子 ガ 沈ンダ 焔ノ 水扉(スイヒ)ニ

捲ル 盲湖ノ 照ラシ

噛ンダ 夜花(ヨカ)ノ (…予感) 薫リガ パチン ト 跳ネタ

剥がれた 花弁ノ白(シラ)ガ ハラリ ト

包ンダ 掌ノ 窪んだ服

ボ ワン ト 融ケタ 月桃ノカケラ 

(皮 、 裸) (… ヒ 、 ラ )

藁ット 崩レタ 歯(ハッ)、果(カ)、

肉ノ舌(上)ノ

含ンダ 天(アマ)味



弧(鼓)髑(ドクッ) ガ掃キ 散ラシタ

月ノ皮脂

甘露ノ降ル夜(ヨ)ノ

麩(フ)可視 

雪花ノ儚(ハカナ)

茫ット 吹ク

風ノ翁ノ白髪 似(ニ)

風(フウ)音色(ト−ン)ノ 運び(箱火)

白砂(ハクサ)ノ山(サン)ノ嫁入り 娘ノ 

花芽(チッス)ノ赤(アッカ)火(ヒ) のォ

睡(水)夢ノ 針(ハリッ)先 雫(シズク)先

歯(ツッ)

黄身(キミ)ニ玻璃(ハリッ)詰め タ

柔(ヤワ)カ ノ 頬(ホ ホ)ニ

染(ソ)芽(め)タ

産(うぶ)ノ 滲(シ)色(イロ)毛(ギ)

然ウ 


 

















立チアガル異界ニテ揺蕩ウ




















内象の言葉 の音 を透してつながる言場で

交わされる時空

そこに浸る時 の反映に照らされたあなたは

私 という距離をとびこえて私の中に在る

<距離の消失>

それは魂というものの明かりなのだろうか

心の噐に映る

うすらかに光りだすあなた 

燈が覆ったあなた を見つめることができる私の眼

生の垣根を越えて届く

溶けだした魂の交歓

<すべてが開かれ>

<すべてが赦されている>

時場 においてあなたとわたしは一つ









 

しかしあなたはいつでもその異界において独り揺蕩っている














 

池内晶子さんの展示




















銀座のギャラリー21+葉の池内さんの展示に行った
すごくうつくしい空間だった
在ってほしかった空間
糸の光の雨のような其所にしかない場に出会えた
 

もうすこし糸が細かったらとも思ったけど
 

ギャラリー21+葉
〒104-0061 東京都中央区銀座 1-5-2 西勢ビル 2F
電話: 03-3567-2816 ファックス: 03-3567-2816
 

池内晶子 展 
2005.5.9-5.28
11:30am-7:00pm (last day 4:00pm)
 

http://www.gallery21yo.com/exh-folder2005/ikeuchi/












 
 

底なしの雛
























手ガ掻く
心のグラスの透き透った
手の
透明なグラスの
地下室の瓶詰めになった
手の
枕(まっくら)と
伸ばした手の
届く常路(トコロ)ノ
手ハ
君の寝床の枕(まっくら)なのだろうか
始終寝(ネム)った
醒めている眼ガ
立土地(タツチ)にはらりと抜け落ちた
骨のない空ダ(身体) 
その眼
グラス(硝子)の響きの反響スル身体(空ダ)ニ履いた靴

底なしの雛(ヒナ)(……火名!)

白線の外側に歩く
雛(ヒナ)の身体(空ダ)ノ足ハ
結んだ口(朽ち)ノ
白い花弁ノ支エル
瞼のふくらみの呼吸の吐地(トチ)に立って
靴は字面(地面)を踏むことはできないから(空)ダには傷一つない天上の肉には
<セックスには堅い、熱では無く震えダ空(カラ)愛に堅い>
空ダが宿っている柔らかな肉ニハ
傷は過去(カッコ)にだけ咲く(裂く)カラ
失(シ)っかし肉にだけ咲く(裂く)空ダは
呼吸のように滲みる暴力ヲ吸う空ダには傷一つない
皺のように歪んだ面(肉の蓋)があるだけ

跳ねるゴム毬はコロコロと転がる涙雨(るいう)のこぼれる天候の角度
純正な地(知)面を漂う塵芥の晴れ間
雨は空ダカラ雲に聞く
標本みたいな今日のキミハ
空のジャングルジム昇る

















内部空間性と外部空間性





















教会の内部空間には特別な力を持っている場所がある 
そこは鎮める場のような 
場所として機能している 
こんな生活に根づいた空間が日本にあるかしら 
寺とか神社とかはだいたい閉ざされている印象があった 
建物のなかに迎いいれる教会というシステム 

でも日本に帰ってきてから神社仏閣を見るようになって 
わりとでっかい寺は檀家さんとかを内部に迎い入れていることを知った 
ちいさい神社とか寺は鍵が閉まってるが 
でもこのごろ春の陽射しと風に運ばれて木々の緑のほうへふらふらと 
向かっていくと寺と神社があって良く見るようになった 
そうすると寺とか神社のなかには木々を含めた自然空間を取り入れたかたちで特別な空間、
何かが流れる場を作っているところがあるのに気づく 
そういえば教会のまわりには木々があった印象はない 
あったとしてもあくまで教会という建物が主であり木々は従属されていた気がする 
日本の場合はとくに神社においては自然を引き入れ 
巨木、古木があってその地形、空間がもともと力をもっていたので 
そこに社を建てたというような印象がある 

木々と社という木の変体によって作られる 
空間というのはすばらしいなと 
自然をねじ伏せる文化と 
自然と共存する文化の違いということなのだろうか 

アマテラスとか日本神話に興味がある 
右翼はまいるけど神社において立ち上がる霊的な力 
自然のもっている力を感じると 
そこと繋がっているであろう神道ってやつには 
興味が引かれていく 



そういえば教会は中庭という内部に自然空間をかなりコントロールされたかたちで取り込んでいる 
寺も庭というシステムを外側にもっていてこれもけっこうコントロールされたかたちだ 
神社というのは木生えっぱなし 
のばしっぱなしって感じがする 

言葉は儚い裏側のような





















木々の像影が揺らめいている

二重の薄硝子の上に描かれた

光を透した木々が

蠢くように少しずつズレて揺らめいている

私は晴れの日だ


太陽が崖っ淵から落下していくような


言葉は 唄は さわさわと鳴る風の衣や

心の浮き上がった水面に浮かぶ音の被膜のように

そこに流れている









雨ガ落トシタホコリ

水ッタマリの溶ける水鏡に梳き透された空(くう)木

雨色に透んだ空(くう)輝のなか

潤んだ空隙(くうき)のなか

雨の呼吸は止まらない

木々の呼吸も止まらない

音をして

ぽつぽつ ぷつぷつ

と止まない木々の水呼吸(みこきゅう)は

青空に晴れわたった午後の

カラスの鳴き合い

口椀ダ空の響きのドーム

お椀にのった透んだ汁を

木木(しん)呼吸の

雨落としのシルにぽきりと

カラスが木々を鳴らす



きらきらと破れる影のセロファン

空鏡の水撫でる空の背

影の空にもぐっていきたいよー

アスファルトのそら

















 

聖域と禁
















聖域というのは人が足を踏み入れると失われてしまうんだ 
神社は今日いったら失われていた 
最初はなんでなくなったのかわからなかった 
風がないからかしらとおもったら 
苔がひっぱがされて荒らされていた 
僕がそこに入ることで入口を作ってしまったんだ 
禁が破られガキンチョか誰かがその場所を壊してしまったんだろう 

あそこが聖域として回復するには時間がかかるだろう 
でも聖域のその人が踏みいると壊れてしまう儚さについてすごく知ることできた 





そのかわり 
空き地と出会った 
すてきな空き地 
空き地は大切だ 

ひょっとしたら木というものたちの 
立ち居住まいには 
木というものたちには 
なにか 
そこにはなにかが