底なしの雛
























手ガ掻く
心のグラスの透き透った
手の
透明なグラスの
地下室の瓶詰めになった
手の
枕(まっくら)と
伸ばした手の
届く常路(トコロ)ノ
手ハ
君の寝床の枕(まっくら)なのだろうか
始終寝(ネム)った
醒めている眼ガ
立土地(タツチ)にはらりと抜け落ちた
骨のない空ダ(身体) 
その眼
グラス(硝子)の響きの反響スル身体(空ダ)ニ履いた靴

底なしの雛(ヒナ)(……火名!)

白線の外側に歩く
雛(ヒナ)の身体(空ダ)ノ足ハ
結んだ口(朽ち)ノ
白い花弁ノ支エル
瞼のふくらみの呼吸の吐地(トチ)に立って
靴は字面(地面)を踏むことはできないから(空)ダには傷一つない天上の肉には
<セックスには堅い、熱では無く震えダ空(カラ)愛に堅い>
空ダが宿っている柔らかな肉ニハ
傷は過去(カッコ)にだけ咲く(裂く)カラ
失(シ)っかし肉にだけ咲く(裂く)空ダは
呼吸のように滲みる暴力ヲ吸う空ダには傷一つない
皺のように歪んだ面(肉の蓋)があるだけ

跳ねるゴム毬はコロコロと転がる涙雨(るいう)のこぼれる天候の角度
純正な地(知)面を漂う塵芥の晴れ間
雨は空ダカラ雲に聞く
標本みたいな今日のキミハ
空のジャングルジム昇る