言葉は儚い裏側のような





















木々の像影が揺らめいている

二重の薄硝子の上に描かれた

光を透した木々が

蠢くように少しずつズレて揺らめいている

私は晴れの日だ


太陽が崖っ淵から落下していくような


言葉は 唄は さわさわと鳴る風の衣や

心の浮き上がった水面に浮かぶ音の被膜のように

そこに流れている









雨ガ落トシタホコリ

水ッタマリの溶ける水鏡に梳き透された空(くう)木

雨色に透んだ空(くう)輝のなか

潤んだ空隙(くうき)のなか

雨の呼吸は止まらない

木々の呼吸も止まらない

音をして

ぽつぽつ ぷつぷつ

と止まない木々の水呼吸(みこきゅう)は

青空に晴れわたった午後の

カラスの鳴き合い

口椀ダ空の響きのドーム

お椀にのった透んだ汁を

木木(しん)呼吸の

雨落としのシルにぽきりと

カラスが木々を鳴らす



きらきらと破れる影のセロファン

空鏡の水撫でる空の背

影の空にもぐっていきたいよー

アスファルトのそら