『珈琲時光』
ホウ・シャオシェンの
『珈琲時光』を見たら、
吉増剛造さんが小津安二郎の講議で
切りとってみせた
電車の先頭で懐中時計をながめる少女の話だった
でもあまりにねむくて
3回ぐらい気づいたらラストになっていた
最初は光とか小津のほうがぜんぜんいいじゃないか
おもしろくないんじゃないかと思ったけど
その世界観にいつのまにかひきこまれるのは
小津と同じかもしれない
小津も最初はこれはフィクションですとわざとらしいのに
いつのまにかその世界に引き入れられている
エンディングで流れる
一思案(ひとしあん)という曲がいい
詩の朗読がいい
ひょっとしたらこういうのは
自分にとって大切な映画なのかもしれない
予告で入っていた
『地球で最後のふたり』も劇場で見たけど
その音楽はぼくのなかに
しっかりと沈みこんで
流れつづけていた
浅野忠信が好きなんです