風と木と神社















風がすごく気持いい
ふらふらと自転車に乗っていく
こっちの道がいい
こっちの道が好き
そうすると緑のあるほうに吸い寄せられていく
そこには神社があったりする
そこは高い木々があって
梢が風にさわいで
すごく綺麗な音がする
並木は風の通り道になっている
木々の間の古色した社が
ふっと
佇んでいて

ああ家は木なんだ
それは僕にとって大きな出来事だった
木だったものが家というかたちになって地面に生えて
人を守っている
そういうことに気づかせてくれた場は
特別な空間だ
社の裏には緑の苔が絨毯みたいで
ああここは流れ込む場所だ
そういう場所
霊的な場というものなのかもしれない
霊的な場というものはよくわからなかったけれど
こういうことかもしれない
霊的な場というのは木と関係が深い
明治神宮の高い木々はすごく好きだ
人の力の及ばない感じがする
それに触れていると
いい気分だ
圧倒的にでかい高層ビル群じゃなくて
高い木が好きだ
屋久島の縄文杉も
屋久杉の森も好きだ

守られるという言葉は
どういうことかよくわからなかったけれど
なんとなく
わかってきているのかもしれない