べてる





















カリフラワー 黴が真横に生えた 森 わたくしの耳にどんどんと周囲が吸い込まれていく のろしをあげた 道を剥がして持って帰る 昆虫缶詰め 足の爪を剥がした わたくしは まっさらな足で 身体の上をかけていく きみのやわらかな体を踏みすぎていく わたくしの愛は踏みつけられた肉と骨と皮と足の裏との接吻によってもたらされる わたくしの足はきみをやわらかく踏み抜く ああ 海風に錆ついた白い錨が 大気の日射しに融けていく 蔓井戸のまぶしい光の中 きみの手と僕の手が通り過ぎる 焼きつく灰のように きみは融けた 感情が冷えた灰を吸って 手のひらに握られた わたくしの手はきみの融けた灰に埋もれ 眠りは冷えた灰白の闇のように ゆっくりと瞼に降り積もった 睫がぴくっと泥の中の小地震を揺さぶり 瞳を覚ました 埋もれた灰食の時を崩壊させた           

わたくしは灰の中にいた 風は微動だにしなかった 澄んだ灰に洗われた わたくしの手はまっすぐに すらりとさしのべられた 崩れるきみ と言う灰燼の愛に




「正直さが楽だ」という言葉が元アル中のおばさんによって言語化される場にわたくしも身をひたしていた