壮絶な旅






















壮絶な旅
長野で3、4日暮す 
雪原で音楽し踊る三人で 

胆力ある音楽家、映像、絵描く友人と 

家から離れてしまうから壁がなく忘れなければ生きていけない詩人で妖怪で小熊な女の子と 
二人旅 
彼女は道で寝るから宿に泊まらない 

全泊野宿 

城端 ふと合掌造りが見たいので行ったらバスがないので 
ビニールハウスと駅で寝る 
苺大福と梅茶を飲む 

世界遺産の相倉合掌造り村落 
合掌造りの空家の2階の障子を開けて勝手に侵入して 
眠るが、凍えそうになり神社の境内で眠る 

菅沼は平坦 
白川郷は観光地 
相倉は深い谷間に抱かれ 
雨上がりの朝霧のなか立体的、空間的に 
合掌造りの家が浮かび上がる 
特別な場所 
恐竜みたいに隠れ住んでる家達 

金沢 
武家屋敷すごい 
ぼくは通り過ぎようとしたけど 
連れがやっぱり寄りたいと言いはいったら 
すごい 風がすごい 日本家屋は風を招きいれる風の道がある 
庭がすごい 
庭の無意識的常識を裏切る見事な配置 
縁側すぐに寄せられた樹木と水石の四角 
深くえぐられた池と滝によってつくられるひろがり 
揺らめく水面の反映、光の波 
透けた硝子窓 
水を招き入れ 
家としての機能、存在がぎりぎりのところで止揚している 
庭、水とせめぎあい開かれている緑の場 
ここにずっといたいとスケッチする 
意識が自然物をとりこみここまでの完成度をもつ 
表現が他にあるだろうか 
西洋庭園はおさえつけているから違う 
ちょっと考えてしまう 

21世紀美術館 宇宙船みたいなとげとげのとリヒターの抽象絵画がすごかったが物足りないけれど市民ギャラリーのとあわせれば量的には満足だけど金沢くんだりまで来てこれだけかよと展示空間とか建築の機能が充実し生活には溶け込んでいくんだろうけど、物足りないから直島にいくが。 

忍者寺は案内人のひとのしゃべりかたが形式化されててちょっと参った 

神社の縁台でねむる 

寺町を歩く。路地を通りすぎ寺を探すが 
見つからずさっき女の子が歩いていた道にいきたいと連れが言い 
そこにいくと一本道に階段が続き寺がある 
着くと蓮昌寺だった。地図をみて一番眼についていた寺だった 
(れんしょうじ) 

金沢は苔の街だ 兼六園は冴えた苔緑に満ちていてずっといたかった 
絵を描いてた 

茶屋街で お茶屋に囲炉裏があると言うので特別に火を起こしてもらう 
囲炉裏は合掌造りの忍び込んだ空家では消えてて、カフェで一瞬見たけどバスの時間がなくて家の中心がない感じだったから、見たかったんだ 

姫路で終電だったのでにヒッチハイクしてわけありそうなカップルのドライブで岡山の宇野港までのせてもらい 
コンビニで夜を明かす 

直島  
地中美術館は入館料2000円高すぎる 
まったくタレル、モネ、デ・マリアと安藤忠雄と 
ものたりない直島くんだりまで来てこれだけかよ 
たしかに新しいみせ方、美術館自体が主役で 
その部品としてのアート作品、建築、空間としてはおもしろいけど 
大仰な仕掛け、上から眺める丘の立ち入り禁止、もちろん侵入して上からみたけど 
成り金の趣味的美術館2000円の価値はない半額にしろ 
茂木さんの文を見て期待してただけにショックがでかかった 
モネとか床のほうがでばってるし、デ・マリアは壁コンクリうちっぱでいいのかよと 
タレルはおもしろいけど 
建築空間はおもしろいし空間もおもしろいけど 
はたして美術館と呼べるのか 
足らん 

家プロジェクトは内藤礼のは台風で壊れて連休ぐらいまで見れません 
残念 
タレル+安藤のはすごかった うまい やられたね 
身体の視力という部分であれをやられると驚きだね 
狩人になったみたい 
杉本博司のはイメージはすばらしいし細い岩戸の奥の光る岩肌とか 
いいけどいかんせん氷じゃないし、正面からみたときの嘘っぽさ氷じゃなくてプラスチックみたいな感じが嫌、でも何十年後にはこなれてくるかも 
宮島達男のは倉しか見れず猫が僕の足の上で暖をとって爪をたてつづける 
猫って別にそんな興味ないけど寄ってくる 
電信柱とか木に近いからかな 
ベネッセハウスとかシーサイドとか見る 
でも直島自体のほうがぜんぜんおもしろい変なものありまくり 
石の上にはりついた小さな家の鳥居とか 
雪の島 観光化されてる部分は嫌 

6時に商店が閉まり高い食堂しかないので 
フェリーで宇野港に戻り駅で寝るが閉め出しにあい 
24時間の四国行きフェリー待ち合い室で時間をつぶすが 
あまりに寒いのでフェリーで高松にいく 
朝5時くらいから讃岐うどん屋がやっていてまるで生きているように透き通ったうどんを食べる 
朝5時からこの味を出す讃岐というところに感動する 

奈良の路地、雪が散らつき散歩し帰ろうとするが 
電車に乗り遅れ三島で終電だったので 
修善寺に行き梅の林を見る為真っ暗な石段を足探り進む 
川の真ん中におじいちゃんたちが裸で温泉はいっていたので 
立ち入り禁止だったけど入るがあまりに熱くて3秒くらいしか 
入ってられない 

帰宅 

夜昼ぜんぶ使うから短い旅だったけど 
倍ぐらい長く感じた 
帰ったら体がしぼられてた 
一人暮らしのときはこんな感じだったなと 
こんな生活ずっと続いたらいいという連れの娘に 
それも悪くないかと思う