スイッチ


























電気を消したらどうなるだろう

絶滅した鳥類が

山のてっぺんで考えていた

白い霧があたりを被う

ここは氷河の上の風下だったんじゃなかったっけ

目をまるくして

食道に記憶をつめこんでいる

においの切れ端がふいと鼻をつかんで

ディナーのことを思い出させた




真っ暗




静かだな




霞みは分解されて

天の蒸気に立ちのぼり

夢は微生物に分解されて

土の

ただつめたい土の苗床になった