瞼のなかの眼球の脈動をきく


























ころあい似て
目をくりっとして
わにの背を歩るく

動物園の
まったく動かない巨大なわにの
背袋のなかの 堅い
肉 を踏みしめる 靴は
裸足でつかむ
殻のように分厚く積もった表皮の感触を
想い

強大な夢と
静かな食欲がもたらす凶暴な瞳の
じろりと動くのを感じる
が
しらりと歩いていく足は
じゃぶじゃぶと
水際とわにの背がはじく
みずたまの
やけに黒いひかりの影に
くっきりとした時間をみつける

早足で歩るく


無意識のはりついた瞳で
かのじょはいったい何をみてるんだろう
きっと じっと 
みてるんだろう
みえるものだけを