内似



土をたべて

土をたべて

胃に夢を汲みこんだ

予期もない音骨に

硝子の捩れた涙が土中に潜っていった

<空腹> にまかせて

私は泡を吹く

歪(ヒズ)んだ土闇の破れかけた網間

黒い鉄水の耳洪水に溺れる日高の少年は

捕らえられた手首の骨を残して

石曲(いしわだ)に消えた

山つぶての指骨に拾いだされた

歪み石の緑眼の眼に焼きついた

焼成遊子の干からび

肋に浮かんだ

石積みの丹花は

裸足で焼き尽くした島を巡る

裸の口になった