2005-10-19 内似 土をたべて 土をたべて 胃に夢を汲みこんだ 予期もない音骨に 硝子の捩れた涙が土中に潜っていった <空腹> にまかせて 私は泡を吹く 歪(ヒズ)んだ土闇の破れかけた網間 黒い鉄水の耳洪水に溺れる日高の少年は 捕らえられた手首の骨を残して 石曲(いしわだ)に消えた 山つぶての指骨に拾いだされた 歪み石の緑眼の眼に焼きついた 焼成遊子の干からび 肋に浮かんだ 石積みの丹花は 裸足で焼き尽くした島を巡る 裸の口になった