冒険球体






 






あたまの心(うら)に

浸いた足の平が

水に似てゆれる

さざやかな

その態は

透水たる垂木の上を

踏み渡る

ああ濡れた燐寸のようだ
















透視力とは
足の浮き足だった状態の心のことだろうか

浮遊力の
不安定な
それでいて軽やかな
飛翔性

言いたいことをその通りに言うことではなく、

つまり迂路を透って
ほんとは言いたかったことを
気づけないわたしに代わって、
言葉が語り始めることではないか

わたしの語り口ではなく
世界の語り口がわたしの口をつかって語り始めること