地面

























地面の問題だという

街灯光の宵明かりを受ける枯葉

夜そらに生える木々の梢がかかえる地面

その影をそっと運ぶように

では地面がなくなってしまったものは

 

亀裂

途絶え

ひとつの地面が消えた

どんどんと暗闇に地面が消える

ぼくはその地面の残り香のようなものを拾いに行きたいと思っている

ぬくもりやらかなしみやらが染みついた紙

でもそこは葬式場のように熱い涙に濡れていて

明るすぎて眩しすぎて近づけない

ぼくは別にだれかに会いたいわけじゃないし

話がしたいわけでもない

ただその地面の跡に立って

ぼくの地面を重ねてみたいんだ

そこにとどまっている空気の泡を一呼吸だけ吸い込んで

しずかに息を吐きたいだけなんだ

だからぼくは待っている

あの窓から漏れる明かりが消えるまで