夜の体 真っくらやみは親密で
ホシがなにかを求めてる ホシがなみだを数えてる 夜に鳴く木声で 夜の木々はいっせいに話を始める うろの中ではその声を聞くこともできる ホシがこぼしているものを こころの中に見る それを拾いあつめる 夜には夢がうたいだす 夜空の真っ暗闇のキャンバスには たくさんの人の夢色が 夜の映灯機からながれる うごめく記憶のあわひかりになって 塗られている 真っくらやみは親密で 境界を溶かす 木漏れ夜そらのまだら天球が 淡んだ闇色を溢れだして 遠い街の光粒がなぜあんなにも蠢くのか 東京の空にも星空がくっきりとひろがり UFOと言い張りたくなるような 流れ星がゆっくりと流れ 朝があける 紅葉の内深く沁みる赤 高尾山山頂には落ち葉でつくった 印が築かれた 風や雑踏に消える かたちの痕