「父と暮せば」を見る


父と暮せば
監督:黒木和雄
出演:宮沢りえ/原田芳雄/浅野忠信

http://www.pal-ep.com/chichitokuraseba/chichitokuraseba-top.htm

を神保町の岩波ホールに見に行く


広島の原爆についての話なんだけど
その映画の背後にある事実を損なうことなく
つたえている
下手なつくりこみをせず
舞台のような表現で
役者の表現力と絵画という手法で
その絶大な地獄と向きあっている

ラストシーンもいい
その映画というフィクションが所詮
原爆ドームのみたひとつの夢でしかないという自明
でもそれは実際に起こったことなんだ
そのことのあまりの大きさと重さが
ぼくを混乱させ
ずっしりと体のなかに残っていて
エンドテロップが終わって
明るくなってもまだイスから立つことができない

それは涙で洗いながしてしまっていいことがらではない

わかった
わかったよ
ぼくは確かに受けとった
それはぼくのなかにしっかりと焼き付いて
ちからとなって外に出ていくべきものだ


ぼくの胸の闇には原爆瓦がひとつ